衝角付きの冑を被り、胸と背中に円護を表わす明光鎧を着け、披膊・腿裾と完全な装備で身を固め、左手で獣面が装飾された長盾を押さえる。顔は立派な顎鬚をつけ、猛々しい表情は胡人の風貌を示す。青・緑・朱彩が美しく施された作行きは精緻。北魏武人の力を象徴したような俑。右手には武器が握られていたのであろう。対をなして発見されることが多く、蹲踞する鎮墓獣とともに悪邪を斥け、玄室を警護する鎮墓の武士。
北方兵士の鎧甲は、鉄製と皮製の二種類があった。力を内に秘めた素晴しい造形の佳品。
明光鎧は南北朝から唐の間に流行し、胸と背を保護する楕円形の金属板が戦場では陽の光に反射して”明光”を発することからこの名が付いた。
参照 : CT-014 |