磁州窯。
笹耳と胴面4ヶ所に5本の白釉堆線を施す。白と黒の対比が美しく、快い印象を与える。常用の器として量産されながら見事な意匠である。細い堆線文の間取りの感覚は数学的な美しさであり、線条文が黒釉の下から程よく透けて見える感性はなんとも嬉 しい。宋時代はなぜか知的で美しい作が多い。
磁州窯と呼ばれる窯は一ヵ所の窯ではなく、華北全域に散在する窯の総称。特に黒釉については華北から山西省にわたる地域において発達を遂げ、この種の、俗に「白堆線」と呼ばれる意匠を展開した窯は山西省に散在した。
参照:CM-045、CM-006 |