磁州窯。
口縁を六つの百合口にした瓶。白堆線文は肩部下半から胴裾上部まで施される。胴部と高台との境には環状の凸帯が巡る。
この作品の百合口と呼ばれる変わった口作りは、北宋の磁州窯のほか鈞窯・定窯・景徳鎮窯白磁にも見られ、宋代に流行した意匠。底裏は露胎で、擂鉢状に内刳りを施している。
この種の俗に「白堆線」と呼ばれる意匠を展開した窯は、山西省に散在した。類品は形の良さ・漆黒の釉の深さ・意匠の確かさをもって名作として不動の地位を得た作品である東京富士美術館蔵品が有名。
参照 : CM-034
参照本 : 東京富士美術館所蔵 名品選集V 中国陶磁 、 玉潤玄光 - 宋元名窯瓷器展
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