磁州窯。
金時代の製作であるが宋三彩と呼ばれ、中国北部の磁州窯系の窯で作られたもの。手慣れた線描きの牡丹図の白色が緑・黄色地に映え、点彩の赤もアクセントとなり極めて美しい。台部線状紋も全体を引き締めている。小振りの枕で、恐らく女性用実用品。唐三彩の技法を受け継ぎ、様々の作風のものが見られる。枕には優作があるが、これはとりわけ色が冴え、紋様の歯切れのよい印象に残る傑作といえる。
かって入手困難・高価なこのような品が入手できる近年の発掘に感謝。30余年前北京古玩店より入手。(当時、北京瑠璃廠(骨董通り)や露店には全土から盗掘された出土古美術品が流入しており、今から考えると天国状態であった。)
参照:CS-236、CS-255、CJ-176、CJ-170、CJ-140 |