NK-031 鉄絵魚文皿

時代: タイ(14〜15世紀) 、サイズ: 径 23.4cm × 高さ 6.4cm

価格: \
スコータイ窯。

タイ古窯のスコータイ窯とシーサッチャナライ窯の焼物はインドやアフリカそして日本にも輸出され、その多種多様な器種や文様構成は多くの人々を魅了してきた。

中でも日本で「宋胡録」と呼ばれた焼物は茶の湯の主要道具として珍重され、桃山時代以降に数多くの茶事に用いられた。宋胡録という珍しい名称はタイのサワンカロークという都市名が訛ったものといわれ、スコータイ窯とシーサッチャナライ窯の製品が集積・経由され輸出されたことによるという。

両窯が主に操業していた時代がスコータイ王朝で、13世紀初頭に建国されたタイ民族による初めての統一国家だった。王朝は盛んに窯行を奨励し、外貨獲得の主要産業に育てた。スコータイの陶器は3種別に焼かれていて輸出用の最高級品は青磁などを、寺院用には人形・魚の絵を描いた皿や鉢・碗と別れていた。

ざっくりとした粗めの器体に刷毛目を思わせる化粧土を掛け、見込み底に鉄絵で福瑞の魚を描いた典型的なスコータイ窯の深鉢で、口辺を彩る二重線と共にモダンなデザインとし、鉄絵は鮮麗。青味の透明釉は光沢を持ち、白化粧土の美しさを際立たせている。見込み底の5箇所の目土痕が重ね焼きを現わす。

参照:NK-006NK-008










← 南海の陶磁 のページへ戻る