CK-087 黒陶重圏文蛋形壺
時代:前漢時代  サイズ: 高 42cm × 横 46cm×奥行 32cm
価格: \
繭形壺は秦と前漢初期にかなり流行した。その器形は口が小さく、頸は短く、腹部は横向きの楕円形を呈し、下に圏足が付いている。朱と白色で雲気文を描いた彩陶・灰陶が多く、黒陶は稀少。
2本の筋文を均等に巡らし、全体を光沢が出るほどに磨いてあり、漆黒を呈する。新石器時代に登場した黒陶は主流にこそならなかったが、脈々と引き継がれてきた。その光沢と風合いには威厳があり、青銅器が衰退した時代にもその色や器形を参照した陶磁器が多く作られた。青銅器という精神文化は伏流水のように中国歴代の工芸に影響を与え続けた。
本品は酒を蓄える容器で、礼器か。一説には城の周囲の土中にこの壺をたくさん埋め、壺に反響する音で敵が攻めてきたことを察知するいわゆる「地聴」の道具だとするものがある。
台北故宮博物館に青銅器を模して壺の胴体に長い乾隆帝の題識が刻み込まれた同品が知られる。。出光美術館に類品納入。

参照本 : 紀元前中国陶瓷
  台北故宮博物院
  平凡社版 中国の陶磁@古代の土器








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