この手の灰釉双耳壷は大きな品が多く小品は稀少で特に望まれる。副葬品として 多く出土するが実用の生活器としてかなり用いられた可能性が有る。 釉薬の見事 な幾筋もの流れ釉は意識的に計算された美意識の基に造られている事がわかると共に高温に固く焼締まった赤膚に美しく映える。造型の締まりも漢時代に相応し い厳しさを持ち、愛玩に足る美品である。 同時代の代表的「緑釉壷」とは又違った 魅力を放ち日本の3〜4世紀に造られて好者に喜ばれる須恵器と共通する日本人 好みの味わいが有る。