当時身近に多く見られた鹿。走駆し振り向く様を活々躍動感をもって造形している。
臣字眼・体表全面瑞雲が力強く刻される。黄玉が泌化により局部褐色化。
西周時代、玉鹿にはこの見返り体様の造型(GK-036、GK-727、GK-409)が多いが、瑞雲刻ある作品は少ない。
鹿は古代より吉祥・魔除けの力を持つ仁獣・瑞獣と考えられてきた。中国の鹿を崇める思想が日本に伝わり、奈良春日大社の神域である奈良公園・厳島神社のように神鹿・霊鹿の概念となった。頭頂部で分岐して聳えた美しい角が魅力を増している。
香港著名玉商旧蔵品。
参照:GK-197、GK-842、GK-970
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