湿潤な和田白玉製留皮彫。
「漢八刀」の単純化安定型造形(GK-017、GK-106、GK-802、GK-949)と相違し、写実的で親しみを持って作られた漢時代後期作品(GK-363、GK-424)。
玉表皮を残す留皮彫。鼻を持ち上げた造形が愛らしく魅力的にしている。
前漢時代に王侯の遺体を玉で覆い尽くすほどの葬玉の風習が盛んになり、豚は富の象徴とされ上流階層の人々は両手に握らせるか、手の脇に置かれ死後も福禄であるようにとの願いが込められた。また玉は亡骸を腐らせないと信じていたことも関係ある。緑釉豚舎にも見られるごとく、豚には新石器時代早期から犬と共に家畜として飼いならされ、当時両者とも肉食用であった。
私事でもあるが45年余前、香港古美術商から初めて購めた古玉が玉豚(GK-017)であり、それ以降古玉の魅力の虜になった。香港玉商旧蔵品。
|