四稜面背椎状突起に上段から神人と獣面紋が五個装飾される。四面は緩やかなカーブを成す。神人獣面紋は良渚の部族が崇拝していた神のシンボルマークであり、良渚の人々の主神だと考えられている。
良渚文化の後期には玉琮の高さを増し、次第に小眼紋様の彫られた多節の玉琮へと発展した。本品はその途上作品。
玉琮は当時の上層首領、あるいはシャーマンが手中にしていた儀礼器であり、重要な祭祀活動に用い神霊に奉り祈祷し、それによって神霊から保護を得て災いを払い、幸福を祈ったと考えられている。
「天地貫通の象徴であり、つまりは天地を貫く手段あるいは義器」であり、同時に「シャーマンが天地に通じる作業は動物の助けを得たのだ」と考えられる。
泌化による多色多様な色合いは悠久の年月を経た古玉の魅力を一層深めている。
良渚文化はBC2500年頃、洪水により姿を消した。
玉琮の知られる公的機関蔵品で最大級は大英博物館蔵が49.2cm、北京故宮博物館蔵が49.2cm。老河磨料製。
杭州良渚文化玉収集家、1920年代からの旧蔵品。
参照:GK-512、GK-589、GK-309
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