紅山文化。
緑松石が局部湿潤による明褐色化、色の対比・表面の光沢が美しい。龍のように湾曲した体、豚または熊に似た頭の形から猪龍または熊龍と呼ばれる。ほとんどの龍形玉器において首筋の孔は一つであるが、二つの孔があけられている。円環の一部が切れたC字形の飾りを「けつ」といい、紅山文化より3000年以上も前から耳飾として用いられていたが、本例のような獣形飾は垂下用の孔が別にあって、紅山文化の墓では死者の胸の位置から出土するため、頸からぶら下げた垂飾とも考えられている。紅山文化の人々が崇拝した想像上の動物を象ったもの。こういうものを愛するのが本当の骨董趣味というのであろう。賞玩・玩物喪志という器物を愛す玩弄の世界。玩も弄も玉に関連のある字であり、中国人の自然信仰はいずれも玉器から来ている。しかし、それらは必ずしも実用に供されたものばかりではなく、祭器・宝器とかが多かった。 |