玉戈は龍山文化晩期に現れ商代に最も流行、西周時代まで製作された。長いものは1m近いものから1.5cm程の小品まで知られる。早期は儀杖用あるいは礼器として晩期には加えて富の象徴財であった。援部と格部に紋文と雲文を線刻。青玉が局部褐色化。全体極めて薄い造りであるが刃部は中央から左右にかけて一段と研磨され削られる。殷墟婦好墓からも類品が出土している。商代の晩期は殷墟時期に当たり、この時期は古代の琢玉工芸が最も隆盛した時代であり、玉戈・玉威・玉矛など儀器化した武器が多く造られた。このような形式化した玉製武器はその殆どが専ら宗教的な儀式、或いは戦勝の舞踏に用いられた。そうした儀式は西周に至るまで変わることなく行われていた。 |