青玉製馬の丸彫り。宋代写実主義の傑作といえよう。玉器職人の洗練された技術が垣間見える。白と黒のコントラストを利用した技で墨玉といわれる。宋代の玉彫動物は極めて写実的で、玉匠は巧みな技法を駆使し特色と命を与えている。漢時代の力強さと相違する気品を醸すのは宋時代ならでは。宋時代には宮中で用いる各種玉器の製作を行う官営工房が内府に設けられていた。熟坑(伝世品)であり、長年月撫玩による青色から褐色・黒色との変化が好ましい。北宋時代から金持ちの間で古物を弄ぶ風が起こり、その風は玉器に特に著しく乾隆期に最盛期を迎えた。古いものを銅や玉で模倣品を作ることを好んだが、古いものに似せてはあるがどこか宋時代の雰囲気を漂わせている。
参照 :GK-336 |