古代よりの佩玉風習は連綿と続き清朝時代になると多くは軟玉の白玉で、又、硬玉の翡翠でも造られるようになる。良質翡翠の原石でもって、片面には瑞芝雲・日月双鳥を、片面には竹と鳥を明時代の遺風を残す二段彫刻で卍文の背景に刻している。竹と瑞芝・日・月・部に濃緑色部をうまく取り入れた彫刻は巧みであり工匠の技が光る。吉祥文様であることにより誇示とともに家内祈念でもって佩帯した貴顕土の品。
良質翡翠はミャンマー北部から中国雲南地方一帯で採れ、17世紀清朝時代の品は特に高品質であり市場価値は高い。翡翠は現代中国では宝石というより一種のお守りで、身に付けておくと幸福が訪れるという。翡翠が爆発的な人気を呼び高価となったのは乾隆帝の時代になってからであり又、正式に玉としての扱いを受けるようになったのは、清代の末から。しっとりとしたし玉より冷たい翡翠にとりことなった西太后の影響は大きい。
参照 : WS-019 、 ZK-036 、 GK-088 |