凹面とする青玉薄板の頂上には威嚇するち龍を透かし彫り、中央部に丸円を穿つ。「ケツ」という名称でもって板指同様弓を射る時右手の親指につける(通常は堅い木で作られた)。
漢時代までは実用品であり不要時腰に付け佩としたものであって遺品は少ない。その後は形態だけを真似た佩飾として造られた。湿潤による風化がうまく白濁部を造り、又青玉の玻璃光を失わず、魅力ある古玉としている。
春秋期から戦国期にかけて伝統的な礼玉は一部を除いて形式化し、装飾具は定型化が進み、玉器にこめられた強い精神性は薄れていく。「ケツ」は1983年広州市南越王墓からは左右腰腹部に5件置かれて出土しているのが知られる。 |