景徳鎮窯。
永楽年間に創始され成化年間に完成された白磁脱胎作品。伝世品は台湾・故宮博物院など世界に数点であり、これらの器底には「大明成化年製」の青花銘であるが、本作品は「天」銘、白抜き。
持っただけで割れてしまいそうな胎の厚さは0.6ミリ。その薄い胎壁に細い針の先で精緻極まりない龍文が隠し彫りされている(暗花と呼ぶ)。ぴんと跳ね上がったヒゲの先、鱗の一片ずつなどルーペではっきり見える。まさに絶技である。
1980年代の初め頃から、景徳鎮珠山路の道路工事中に御器廟の窯址や宮窯製品の廃棄跡が発見されだし、永楽・宣徳・洪武・正統・成化年間などの官窯製品が続々と出土した。宋時代の青白磁、元時代の卵白釉磁(枢腑磁と一般に称する)の伝統を継承しながら完成されたのが脱胎磁といえる。CW-084 と同墓出土品。 |