景徳鎮窯
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龍が口を大きく開け、天を向く龍首口と尻尾が把手の水注。宝珠鈕と被せ蓋が伴う。獅子鈕蓋水注はまま知られるが、龍首口の作品は稀少。定窯・越州窯に幾分省略された龍首口作品が知られる(参照:CW-041、CC-192 )。上流貴族が用いたもので、北宋期に始まった器型。当時の墓壁画・絵画に使用の様がうかがわれる。龍首形の注口は祖形となった銀製・青銅器の名残りであって、宋磁の完成度の高さ・品格をしみじみと感じさせる。均整のとれた緊張感ある造形は北宋時代最盛期(北宋時代中期〜後期)の作品。
金属器とは異なった優しさと伸びやかさを備えている優品であり、北宋の国力を誇示しているようでもある。
参照 : CW-024 |