CW-059 白磁黒掻き落し蓮池水禽文皿

時代: 宋時代 、サイズ:高さ 2cm×径 13cm
価格: \

定窯。
つい近年まで定窯は殆ど白磁で、時に黒定・紅定を見ることがあるが、定窯白磁に鉄絵具で黒絵文様を描いたものは極めて稀であった。従来知られていた我国にある遺品は「蓮花文皿」と「牡丹唐草文瓶」(岩崎家→大阪市立東洋陶磁美術館)だけであった。が近時発掘により新資料が出現している。内面に鉄絵具で蓮池水禽文を描き、これに刻線文を加えてある。飴色に近い色合いがなんとも気品があり、やや粗い粘りのある白磁の素地は純白で、これに透明性牙白色の白磁が薄く掛かっている。伏焼きにより口縁部は露胎。同時代磁州窯との関連性をも考えさせる。定窯の特に優れたものが作られたのは北宋末の政和・宣和頃とされている。
現在世界のどの国でも一つの器は一つの匣鉢の中に入れ、窯詰しているが、北宋時代には器と器は5ミリと離れず、今日想像もつかないほど進んだ技術で窯詰をしている(今日の技術では一つしか入れられないスペースに7つ8つ入れて焼いている)。この窯詰方法は景徳鎮の青白磁も同様で宋と言う時代が如何に科学技術が進んでいたかということはこれによっても想像がつく。

参照 : CW-043








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