いわゆる乾隆ガラス。北京ガラス。
先細の頸と裾広がりの円形高台が付く。濃藍色被せガラスには牡丹唐草・蝶・鳥が深く彫られている。
乾隆ガラスの発達にはヨーロッパからのベネチアンガラスの技術移入と共に、中国独自の技法と造形の確立によって大成された。そしてヨーロッパに渡り、アールヌーヴォーの展開のきっかけとなった。カメオ彫りといった特異な技法様式が特徴であるが、中国で古くから確立されていた玉細工の技法が大きく影響した。
乳白地は極めて鮮麗。地・模様等、鋭い削りが重厚感を一層増している。後期になると文様もパターン化されるが初期の作品。清朝末(19世紀)の保管箱に仕込まれ、大切に保管されてきたことが知れる。優品。
乾隆ガラスはガレーがこよなく愛し 作品に多大な影響を与えている。
京都旧家蔵品。 |