灯台を使用しない時は蓋を被せておき、使う時には反転してその中に動物性の油を盛って灯心を入れ、灯を灯す。また空になった中に物を保管しておくことも出来る、耳杯形の灯器(耳杯を合わせた形状)。上面には四区に四神が、底部には銘文が刻されている。
戦国時代から前漢時代にかけての時期の灯には、質の高い工芸作品が少なくない。この頃はまだ照明用の油が高価で、灯りは支配層だけが用いた器具であったことと関係があろう。凝った家になると灯油に香料を加え、灯した時に心地よい芳香を発するようにしており、これは当時においては格別の楽しみといえた。このような作りの灯は轆轤灯と呼称されている。
この耳杯形灯は後漢時代に多く作られ、晋時代まで継続して作られた。安徽省や広東省など、中国でも南寄りの地域での出土例が多い。
参照本 : 灯火器 - 東アジアのあかりの歴史 - |