一瞬の動きを捉え、腹ばい状態を纏めた的確な造形力は工人の技が冴える。目には赤瑪瑙を嵌め美しい。山吹鍍金には毛の線刻が鋭く施される。袖鎮・袖押さえ・墓鎮とも古来呼ばれるこのような鎮は、筵押さえとして本来4個・2個セットで製作されたものと考えられている。程良い錆色と金色との対比も味わい深く、古代中国金工品の魅力を発散する。鳥・熊・虎鎮は多いが、駱駝は初見・稀品。
唐代になると駱駝の造形物は多いのに、漢時代には印章鈕に見られるぐらいで造形遺品は少ない。中央アジアには主に双瘤駱駝が棲息し、一瘤駱駝は西アジアからアフリカに棲息。中国で見られたのはキャラバン隊の双瘤駱駝。鎮は筵を地面に敷いて座った春秋戦国・漢時代の人々にとっては日用品であった。南方の習慣では、竹の筵と玉鎮であった。
西安著名銅器収蔵家旧蔵品。
参照 : DK-291 、 DK-180 |