唐代前半期(7〜8世紀頃)は、中国における金銀器生産の絶頂期であり多種多様な優れた出来映えの品々が生み出され、宮廷を始めとする貴族層を中心にもてはやされた。蓋裏と身裏には花唐草が表され、その中心に双獅子と鳳凰が表現される。側面には草文がめぐる。いずれも地には微小な魚々子が整然と並び、全体に細微が尽くされている。厚手の器体上に深く・鋭く・的確に打ち込まれた鏨によって、生動感溢れる文様が見事に表現され、唐代前半期の金銀器の美質が集約された秀作。合子は中国では古くから用いられていた容器で大小さまざまなものがあり、歴代に渡って大量に製作された。化粧料や薬剤、或いは宝玉といった比較的小さなものを入れたり香合として使用したり用途は多岐にわたる。
円形の他に花形や蝶形、貝型といった多様な形式の遺品が知られている。
参照 : DK-222 、 DK-216 、 DK-193 、 DK-175 |