銅板を打ち出し、花唐草の間を相対して飛翔する瑞鳥を見込部に、両耳部は魚子文と鼻唐草、背面の胴部には飛翔する鳳凰を4羽花唐草・魚子文とともに鏨彫りしている。見込模様の打出し部・両耳・裏面の模様部は鍍金している。全体に発掘による酸化鉄錆で本来の耀きは幾分失せているが、制作時の華麗さは十分窺える。精緻な彫り、形姿の端正などが唐代工人の技術と造形感覚の表れといえ又、唐時代らしい温和な作風であり官営工房の製作品であろう。唐時代金工品には銀製が多く、銅製は彫金技術が一段と難しく稀少。
近時「天水」郊外墓より対で出土。大型唐三彩製品。金工品等多数出土した。人工百万の国際都市300年近い栄華を誇った長安を彷彿とさせる品。
参照 : DK-069 、 CK-028 |