酒を掬うますといわれる。銅量(王莽が紀元九年に定めた標準のます)のような品かもしれない。 柄はます部に向けて扇平に広がり板状の前方部には長方孔が。板上には怯える子羊と口を開けてよだれを滴らせる虎。 握先端は羊頭が形成されている。ますは円形で平底。類品は1977年陜西省墓よりの出土品が知られる。赤みがかった銅は伝世品であって愛らしい古代金工品といえる。 オルドス、さらに西方の動物意匠とも深くつながった遺物。動物のモチーフで器を装飾するのは北方の草原文化の特色。 参照本:青銅古器 上巻