景徳鎮窯or雲南窯。
胴面には瑞雲の中、燃え盛る火焔宝珠を追う走龍が描かれる。晩唐五代の9〜10世紀にこの絵画を絵師達が確立した。本作品が珍しいのは、極めて数の少ない釉裏黒であること。
釉裏黒は文字通り釉薬の下に黒い彩料で文様を表わした大変珍しい作種であり釉裏紅と酷似しているが、彩料の一部釉上に吹き出ているところを見ると銹色を帯び、鉄質顔料で描かれていることがわかる。
釉裏紅と同時期に作られたものだが、安定した黒に呈色することは困難であり、きわめて稀な例。青花や釉裏紅に比べるとどこか控えめで気品漂う作品。
高台には元青花壷に約束の「鼻涕釉」が見られる。
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