景徳鎮窯。
この種のラッキョウ形の瓶は玉壺春と呼ばれ、元時代に流行した器形の一つ。八角に面取りが施され、陵にかけて仰覆の如意頭文が描かれ、中は蓮と波涛文。横には草花文が装飾される。
鋭さが感じられる力強い筆法は元時代の青花に特有のものであり、旺盛な活気に溢れてもいる。うっすらと青色がかった白地の余白が一層品格の高いものにしている。呉須は美しいソマルトを用い、沈静なうちに明るい部分もある綺麗な染付である。軽量である。
近時景徳鎮郊外窯跡より元青花優品が多数出土したが、本品もその一つ。八面取りでない同図柄品がボストン美術館に収蔵されている。
参照 : CB-060 |